「人様に迷惑をかけないように生きなさい。」
親からそうやって言われてきた人もいるかもしれません。
他人の目を気にしながら生きるようになった原因かもしれませんし、
日本の思いやり文化の根元かもしれません。
外国人が日本に来れば、日本の綺麗さにびっくりするといいます。ゴミが全く落ちていない、電車の中はみんな静かにしている。
人様に迷惑をかけないよう、気をつけて自分をコントロールしながら生きている人ばかりなのです。
この教えは素晴らしいものだと思います。
日本人の礼儀正しさを表している、日本人らしい教えです。
しかし、この教えにより、最近勘違いをしている若者が増えたように感じるのです。
その勘違いとは、
自分は迷惑をかけないように気をつけて生きているのだから、周りから自分も迷惑をかけられるべきではない
ということ。
つまり、迷惑をかけられたときに、怒ってしまう人が増えているのです。
「迷惑をかけられた!理不尽だ!」
そう思ってしまうのです。
「ちゃんとしろ!迷惑かけないようにしろ!かけたなら、それ相応の対処をしろ!」
こんな具合です。
もちろん、自分は精一杯気をつけているのだから、そんな自分に迷惑かけられたら嫌ですよね。
でも、みなさん、迷惑とはかけないけど、かけられるものなんですよ!
そこまでセットで教えにしておく必要があったかもしれません。そうすれば、勘違いする人が減ったはずです。
生きていれば、故意じゃなく迷惑をかけてしまうことはあります。
わざとじゃなく、忘れ物落とし物したり、迷子になったり、子どもがいたずらする、遅刻する、苦手なことをやる羽目になる、生きていれば迷惑をかけることの連続です。
もちろん、なるべくかけないように気をつけていても、どうしても誰かに助けてもらう場面は往々にしてでてくるのです。
そんなとき、日本人の教えである
「お互いさま」が発揮します。
迷惑をかけられたときこそ、助けてあげるチャンスです。
自分に迷惑をかけられたことに目くじらを立ててる場合ではありません。
その人を助けてあげるチャンス。
なぜなら、自分もいろいろな人に助けられながら生きているからです。
迷惑をかけずに生きていくことは難しい。絶対に誰かに助けてもらっています。
でもその人に恩返しをするばかりではなく、自分が迷惑をかけられたときに、その人を助けてあげることで全体的に恩返しをして生きていくのです。
だから、迷惑をかけられたら、
恩返しのチャンスと思うことが大切なのです。
そうやって感謝の輪が永遠に周り続けて循環していくのです。それができるのが日本人なのです。
なんと素晴らしい民族でしょうか。
世界に誇れる文化、文明を勘違いせず、後世にも伝えていきたいものです。